5日目(26日)

** この日の観光コース **

カピトリーニ美術館〜パンテオン〜サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会 (→フィウミチーノ空港)


とうとう、最後の日。直行便なので、夕方までフルに使えたのはラッキーでした。ただ・・・無理はできませんので、欲張らず、近場で。

☆ カピトリーニ美術館 (Musei Capitolini) ☆

 

 写真は、カンピドーリオの丘で、この両側(写真にほとんど写ってない・・・汗)が美術館です。向かって右側にコンセルヴァトーリ宮、左側に新宮があります。 正面の建物は市庁舎。その地下には、スッラの建設したタブラリウム(公文書館)があり、現在は左右の建物をつなぐ通路となっています。


 まずは、王政を廃し、共和政を始めたルキウス・ユニウス・ブルータス。


  続いては、トロイネタでございます♪ 見づらくてごめんなさい。ショーケースのガラスが反射しちゃって・・・。
 さて、まず左側が、ネオプトレモスに殺されるプリアモス王(紀元前540-530年)。見ると、ネオプトレモスはわかるんですが、プリアモスがなんで、馬みたいなお面?をかぶっているのかよくわかりません。トロイ落城って、辛くて読んでないんですが・・・読めば何か事情がわかるのかなあ・・・。
 そして、右側が、ボードゲームをするアキレウスとアイアスです。(紀元前530年)どっちがどっちかわかりませんが・・・・・・。

 


 こちらは、マルクス・アウレリアス帝の騎馬像です。皇帝の騎馬像としては唯一のもの?
 

   


 続いては、再びトロイネタ。オレステスとイピゲネイア。オレステスはアガメムノンの息子。イピゲネイアは、アガメムノンの娘ですが、トロイ に出航する前に生贄にされています。ですが、実は、アルテミスのはからいで生き延び、父の仇を討ったオレステスと再会するのです。こちらは、モザイクです。

 


 続いては、ポリュクセネの犠牲。ポリュクセネは、ヘクトルの妹。アキレウスは彼女を見初めた後にパリスに殺されますが、トロイ落城後、亡霊となって現れ、彼女を自分の墓に捧げよとオデュッセウスに告げます。 

   


 さてさて、ここになんと!!ありましたよ!ヘレネの略奪!!パリスとヘレネは、何となく映画っぽくなくもなく(笑)。
隣はヘクトルではない・・・はずですが。しかし、これって、ほんとに“略奪”ですね。


 
一旦トロイネタから外れますが・・・こちらは、オクタヴィアヌスを前にするクレオパトラ。わかりにくいですが・・・オクタヴィアヌス(後のアウグストゥス)はやっぱり美男。傲慢にも見えますね、このシーン。まあ、勝者ですからね。
 

 

 
 

 再びトロイネタ。オデュッセウスとキルケ。映画のオデたんと雰囲気が似てるかも(笑)

 


 こちらは、タブラリウム跡に展示されていた、アッピア街道のマイルストーン。

  


 続いては、新館で、階段の踊り場にあった像。ティベリウス(左)とアウグストゥス。な〜んか、やっぱりアウグストゥスのほうが美男(泣)

 


 で〜も〜!アウグストゥスの体型って、多分こんなものじゃないかと思います。か〜な〜り、華奢。体は弱かったらしいですし、背も対して高くはなかったらしいですから。大体、他の像は立派すぎ!!



 ついでにこういうのもあります。これもアウグストゥス。裸!・・・ってことは、神サマってことよね!・・・彼の場合は、死後神格化もされてますからね。でも、私にとっては、別に魅力的でもなんでもないもん。 絶対、ティベリウスの裸のほうが魅力的だと思う・・・けど??

   


 こちらは、カピトリーノのヴィーナス、というものです。クニドスのアフロディーテの模刻(=ガイドブックより)ってことなので、ヴァチカンで見られなかったクニドスのヴィーナスはこんな感じ??・・・でも、ど〜も、よくわかりません。唯一、クニドスのヴィーナスの画像を見つけたのですが、それとはポーズが若干違います。むしろ、ゼロナイに出てきているのではメディチのヴィーナスっぽい。誰か詳細ご存知の方おられたら、是非教えていただきたいものです・・・。

   

 

   続きまして、ハゲオヤジ(笑)・・・こちら、ローマの英雄、スキピオ・アフリカヌスです。年取ったらこんな姿になっちゃったようですが、若い頃はとってもハンサムだったらしい。そして次男坊、人から愛される性格!・・・若い頃の像が残っていたら、是非見てみたかったです。塩野さんの本でも、指輪の浮き彫りの横顔しか出ていないので、きっと残っていないんだろうなあ。残念〜!!

 



 続いて、皇帝の間にやってまいりました。まずは有名どころ、皇帝ネロです。若い頃と、少し後のほうと二つ。ま、彼は早死にしてますので、右のほうも、そんなに年とった像ではないはず。ただ、彼は若いにも関わらず、皇帝になってしばらくしたらかなり太ってしまったらしいのです・・・。当時にしては珍しく髭を生やしているのは、ギリシャへの憧れから。



 次は、ティベリウスと家族・・・とはいっても、家族なんて呼びたくもないだろうな、きっと彼は。下の段は関係なさそうですので、上の段。左から、ティベリウス、ゲルマニクス(ティベリウスの弟ドゥルーススの息子で、ティベリウスがアウグストゥスの養子になったとき、彼を養子にすることを求められた)、アグリッパ・ポストゥムス(ティベリウスがアウグストゥスの養子になった際、同時に養子になった、アウグストゥスの孫)?(←説明についてた)、そして大アグリッピーナ。アグリッピーナは、アウグストゥスの孫娘で、ゲルマニクスの妻。急死したゲルマニクスを殺したのはティベリウスと思い込み、反ティベリウス派を結成したりしてティベリウスを悩ませます。最後は島流しに。とってもむかつくのは、この美術館で買った本に、ティベリウスは載ってないのに、アグリッピーナが載っていて、しかも「不幸なゲルマニクスの妻」と書かれていたこと!!!!!大体自分で蒔いた種なんだから、同情の余地なんて、これっぽっちもないのに〜〜〜!!じーさんのアウグストゥスの、“血への執着”という悪い面だけを受け継いだような女だと、私は思っています。あ、あとは、美貌はうけついだのかも(笑)  


   

 ティベリウスだけも撮りました。これは、結構年をとってからかな、と思います。今までの顔と比べると、顎のラインが丸いので。気難しさと、鋭い視線は健在か・・・。



 

 次は、ティベリウスのお母様、リヴィアと、右が義理の父アウグストゥス。何度もいいますが、悔しいけどアウグストゥスは美男。お母様も気品あふれています。ま、ティベリウスをあんなふうに気高く育てたんだから、このお母様も相当気高いお方なのでしょう。それに、アウグストゥスがほれ込んだ女性ですからねえ、女としての自信にもあふれていたかと。




  つづいて、哲学者の間。哲学者だけでなく、詩人などの像もあり。で、こちら、左は、ホメロス大先生(笑)・・・だと思います。(なんせ、イタリア語表記しかないもので。)イーリアスとオデュッセイアの作者、といわれていますね。そして、右は、エウリピデス先生。・・・まあ、これらの先生方は、顔をみたからってどう、ということもないのですが・・・・・・(笑)

  


 続いて、カエサルの政敵でもあり、友人でもあり・・・という、なかなか一言で表現しづらい人物、キケロ。共和制末期の政治家、という表現は正しいかな・・・・・・。教養高く立派なお方らしいですが、すこぶる逆境に弱い、ってところが笑えます。



  続いては・・・塩野七生さんが、単行本の表紙に採用した青年の像。民衆のための政治を志し、若くして命をおとしたティベリウス・グラックス(ティベリウス帝とは別人)をイメージしたそうです。

 


 続きましては、4日目でも紹介しました、美少年・アンティーノーです。やっぱり美しい・・・

  


 最後に、またティベリウス(笑)。これは、食堂のあるテラスに向かう途中の部屋に展示されていたもの。説明が一切なかったので、近くにいた係員のおじさんに確認したのです!もう、ティベリウスの顔は、説明なくてもほぼわかると思います(笑)。やっぱり、気難しそう・・・・・・(泣)

 


 ちなみに、こちらの食堂は、なかなかよかったです。サラダやパニーノもまあまあいけました。テラスからの眺めも最高です!

 

☆ パンテオン(Pantheon)   

  もともとは、アウグストゥスの右腕であるアグリッパが、紀元前27年に、“すべての神々”に捧げた神殿。しかし、80年に火災で焼失し、その後ハドリアヌス帝が118年に建て直したものが、現在残っているもの。とはいえ、現存するローマ建築で最も完全な遺構。中にラファエロのお墓などがあります。
 左が正面。M.AGRIPPA、と書かれているのがはっきり見えます。右はクーポラ。これは、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラよい大きいのです!!

 


 

☆ サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会(San Pietro in Vincoli)    

 


 サン・ピエトロがエルサレムで牢につながれていたときの鎖(ヴィンコリ)が祀られている教会。しかし、それよりも、私の目的は・・・ミケランジェロの作品をみること。ここには、ミケランジェロの“モーゼ像”があるのです!
 このモーゼ像は、1505年、法王ユリウス2世から製作を依頼された墓の構想の一部だったようです。結局、墓の計画は中断されたりして、この像が完成したのは8年後。そして墓が完成したのは1545年らしいですが、当初のミケランジェロの構想とは大きく異なってしまったようです。

 

 


 これにて、正味5日間のローマ観光は終わりです。まだまだ見足りない! 心残りもいっぱい・・・なのですが、また次の楽しみにとっておきたいと思います。
 私の趣味に付き合ってくださいましたお義母さま、本当にありがとうございました。(笑)そして、ここまで読んでくださいました方、本当に本当にありがとうございます。