帰 郷



…その瞬間、まるで時がとまってしまったかのようだった。

せり出した崖の先端に、彼女は立っていた。
ちょうど雲の合間から満月が顔を覗かせ、月の光が降ってくる。
すらりとした彼女の姿が浮かび上がっていた。
だが、彼女はじっとして動かない。
その目は、海の彼方にある何かを探すかのように、はるか遠くをじっと見つめていた。
時々、風が、彼女の亜麻色の髪とスカートをゆらゆらとなびかす。

ジョーは、声が、かけられなかった。
そのままどこかへ飛び去ってしまそうな彼女をひきとめたいが、もう一方ではこんな彼女をずっと見ていたいような。

 


 

Kaleidoscope第一話より。

 

戦いが終わって、それぞれの道に進むメンバーたち。二人の様子がもどかしくってもう・・・と思っていましたが、最後はジョーさん、ばっちり決めてくれました!!


描きたかったのは、月光に照らされるフランソワーズでした。でも、描き上げたらジョーのほうが目立ってしまった〜(笑)