月下の少年

〜クレオパトラの娘〜




 突然夜空の雲がはれた。ティベリウスは大きな月を背に、何かを見据えるようにして顔をあげた。川面に月の光が反射して、ティベリウスがきらきらと輝いてみえた。
 私はこの時のティベリウスを生涯忘れはしない。たとえその後の彼についてどういう噂が流れてきていても。

 

 


 かのこさんのサイト“極東カエサリア”に掲載されている小説“クレオパトラの娘”に登場するティベリウスのつもり・・・です。かのこさんのお話のティベリウスは、決してほめて美化して描かれているわけではないのですが、凛々しさ、聡明さが随所ににじみ出ています。で、拝読しながら想像してしまうのです、「かっこいい」ティベリウスを!(笑)
 このシーンは、本当に素敵で、何度も何度も読み返しました・・・。ローマのために、アウグストゥスのために自分を捧げる決意を語ったティベリウス。少年のひたむきな心が胸を打ちます・・・。


 まあ、勢いで描いたのはいいのですが、実際、思ったようには描けないもので。いつものように顔だけ。しかも、月と人物の配置とか影のつきかたとかが文章と一致していないのですが・・・私の表現力ではこれが限界です。