第9話 深海の悪魔
作画監督:高田晴仁 
 
 話としては、まあ、半分おちゃらけな感じ?新兵と、名門科学者の御曹司のやり取りはなかなか笑えます。マニュアル世代?応用の利かないところが、その当時の若者(新入社員とか・・・)を皮肉っているようにも見えますし。・・・でも、科学者で、“名門○○家”って、あんまり聞かないよなあ。
 コズミ博士と別れて発進するドルフィン号で、ジョー、初めて操縦席に座ってました!!やった〜♪(でも原作、新
ゼロでは操縦席はジョーの指定席なのになあ・・・)そして、今回、結構積極的に行動してます。・・・が、ジェットには、「お上品過ぎる」とかいわれちゃうし、どうもいまひとつお坊ちゃまっぽさが抜けていない感じがしてしまいます(
泣)。一方ハインリヒは、司令官の座を確実にしていってます(笑)。
 まあでもともかく・・・原作ネタも取り入れられ、戦闘中には多くの軍事用語が飛び交っていたし、いろんな作戦
の展開は楽しめました。

 
  
第10話 オーロラ作戦
作画監督:石川晋吾

 そろそろこの方の絵、濃くなってきました。絵としては整ったほうだと思うんですが、どうも、紺野さん絵より濃〜い感じなんですよね。私にはどうも、これがなじめない・・・。
  南極に向かったドルフィン号。ジョー、この回でも操縦席確保してます(笑)。輸送機を乗っ取りますが、飛行機の窓って開くんでしたっけ??
 基地に忍び込んで、フィンドル博士と娘シンシアが再会しますが、シンシアは“兵器がキライ”ということで、サイボーグの面々を傷つけてました。でも、グレートはオトナの発言。「“兵器は兵器”・・・そんじゃまあ、お仲間の面でも拝みにいきますか」この台詞、結構好きです。自分たちが兵器として開発されたという運命を、受け入れて生きていっている、という決意みたいなものをその言葉の裏に感じるような・・・。それにしても、ジョーが戦闘組みでなくて、シンシアの保護を任されるとは・・・シンシアとの語らいのためとはいえちょっと悲しい・・・。
 MMM-1が稼動したときのみんなの苦しみようはすごかった!特にフランソワーズ(笑)、博士を突き飛ばすのはいくらなんでも・・・。それにしても、フィンドル教授に00ズの説明をする博士ってば、なんだか解説者みたい。他人事みたいで。・・・博士には、彼らを改造したということに対する贖罪の気持ちはないのか・・・?(だからフランソワーズに突き飛ばされるのか?)
 最後にジョーと見詰め合うシンシアが何を思ったのか・・・これ、原作でもわからないし、この話でもわかりません・・・・・・。

 

第11話 幻影の聖夜
作画監督:田中穣
 
 ジョーやフランソワーズがとってもかわいいと思う回。田中氏作画の回の顔が私は好きです♪それにこの回、フランソワーズのカチューシャの色がバリエーションに飛んでて、それもちょっと嬉しい!
 まず最初の音楽。これ、この回のテーマのように使われていたように思うのですが、私最初は“赤い靴”の中の曲だって、信じていたのです。でも・・・この曲、実はドビュッシーの小組曲(ビュッセル編曲)の中の“バレエ”って曲なんですよね。これが分かった時、何だか裏切られたような気がしました・・・。私の無知がいけないのかもしれませんけど・・・でも、新ゼロのときは、ジゼルのときちゃんとジゼルの曲が流れたのに・・・!
 クリスマスイブに一人でパリに赴いたフランソワーズ。岸(どこの岸だろう・・・?)まで送り届けたのはジョーでした♪この調子で親密度を増していってほしい、と願ったのは私だけではないはず・・・。
 そして、ところどころで回想されるフランソワーズの過去。ジャンお兄さんもご登場♪妹思いの素敵な飛行機乗りのお兄さんです。でも、軍人さんではないみたい。 驚きなのは・・・親友と思っていたナタリーに、思いっきり憎まれて?いたこと。コンクールで優勝したときに何と「蹴落としてのし上がった」とか言われてました。ちょっと悲しすぎる・・・。普通、ライバルで相手が優勝しても、そこまで言うかなあ・・・・・・。新ゼロのカトリーヌとはエライ違いだ・・・!
 さて、フランソワーズが戻ってこないので、ジョーは捜索してます。それでとうとうみつけますが、フランソワーズは幻影の中。廃墟でバレエを踊り続けてます。このシーン、結構好きです。自分を現実に引き戻そうとする(実際はジョー)のが、幻影の中では防護服を着た自分自身、そしてその自分を撃とうとする・・・とか。実際にフランソワーズがジョーを撃っちゃったかどうか、すごく分かりにくいのですが・・・。それから、本当にジョーは倒れたのか、とか。花火の音で撃ってしまったと、フランソワーズ自身が勘違いした、ってところなのかな?まあ、ともかく無事ではあったので、めでたしめでたしです。そして二人で迎えたクリスマス。ジョーはフランソワーズに、複葉機に導かれてきたことを告げ、フランソワーズはその複葉機に兄の姿を認めます。・・・フランソワーズは、お兄さんに守られているんですね。そして、この世で彼女を守ってくれるジョーに、彼女を託したと・・・いうことなんでしょうか。なんだかんだいっても、しあわせじゃないですか、フランソワーズ♪
 『時間に置き去りにされた』フランソワーズの哀しみがちょっと胸に痛いお話でした。この話をみたら、第一世代もまあ、許せるかもと思ってしまいました。・・・そう、違う作品として楽しめばいいんですよね(笑)!!!
 さて、どうでもいいつっこみですが・・・フランソワーズ、バレエを踊るときには髪をまとめたほうが・・・特にコンクールのときなんかは!(新ゼロも・・・フランソワーズの髪型って、そのままなんですよねえ。それはどちらも残念!)

 
 
第12話 なぞの無人島
作画監督:桜井木の実
 
 一人ぼっちにされたロボットに心が宿ってしまう・・・という意味で、ちょっとイシュキックを連想してしまいました(笑)。
無人島に不時着したジェロニモ(平ゼロではこう呼んではいけないのでしょうが・・・)と張大人、そしてグレート。この話って、グレートの我侭、爆発!・・・みたいに感じてしまいました。一方、張さんはなんだかとってもかわいい。 廃棄されたBGの基地をけなげに一人ぼっちで守っているロボットに“かかし”と名づけて かわいがるところがなんとも。かかし君は絶対、心があったと思う!だって、張大人のいうことはけなげに聞くのにグレートにはとことん意地悪なんですから!最後、身を挺して張大人を守ったところにはほろっときてしまいました・・・。 
 TVで放映されたときは、93がほとんど出てこなくてつまらなく思いましたが、今見るとなかなか味のあるお話です・・・。

 
 
第13話 倫敦の霧
作画監督:三浦和也
 
 絵が・・・絵が・・・(以下自粛)たまに戻るときもあるのですが・・・
 グレートの回想シーンで始まります。グレート、金髪です!でもあんまり若く見えない・・・(笑)グレートったら、演劇界で成功後、昔の女性(ソフィー)を捨ててしまったんですね。ありがちなパターンです。
 張大人と買出しにでかけているようなのですが、このとき、ロンドンが17、8年ぶりとかいってました。それって・・・BGに誘拐されてからそれだけの年月が経っているってこと??第一世代じゃあるまいし、ちょっと年数経ちすぎでは・・・?
 グレートは買い物を済ませたあと、一人でふらっと街を歩いて、小劇場へ。ここで劇団の練習風景を見た後、名乗ったら、劇団員が感激してました。グレートは有名人だったようです・・・。何となく、ちょっと自慢げに見えるグレートが嫌だなあ・・・。・・・と思ったら、そう思ったひとがもう一人いたようで(笑)・・・いや、そういうわけではないですが・・・ローザ、昔捨てたソフィーの娘だそうです。ローザにソフィーの死を知らされたグレートはショックを受けてました。
 その夜、パブで一人飲んでいるグレートに劇団員が声をかけ、二人は意気投合。二人で飲んだ帰り道に、BGに襲われるのですが・・・なんでグレートだけが襲われたんでしょう?00ズを一人ずつ片付けるつもりだったのでしょうか。しかし、自分のせいでこの劇団員に重傷を負わせてしまったのに、それに対する言及はないんですね・・・。主役俳優が重傷で、代わりを自分にやらせてほしいというグレート・・・まあ、いいんですけど。でも、それって果たして“償い”になっているのかちょっとだけ疑問。
 ホテルに戻ってきたグレート、みんなに「あさってから3日間、俺の好きにさせてくれ」・・・ってこれ、ジェットじゃなくても怒ります。日ごろの言動が言動なだけに・・・。
 公演中、劇場の屋上?に00ズ集結してますけど・・これって、グレートを守るため、という解釈でいいのでしょうか。どうも敵、味方ともに目的がよくわからん・・・。そして、蜂の化け物みたいなメカが攻めてきたとき、ジェロニモがそれを1こ捕まえて走り出したら、他のメカもみんなついていきます・・・。この辺もよくわかんないなあ。・・・そしてとどめは、石油タンクに穴を開けて(!!)メカに原油?を浴びせて張大人の炎で焼き尽くす!!・・・このとき爆発があったようなのですが・・・石油タンクは果たして無事だったのでしょうか。とっても心配です(笑)。
 まあ、とにかく。演劇のほうも無事に成功したようです。そして、最後はローザとの語らい。ソフィーは、グレートが演劇をやめてしまったことの方が、捨てられたことよりも悲しかったのだそうです・・・。
 
 
 
第14話 再会の地で
作画監督:石川晋吾
 
 注)甘ちゃんジョーがお好きな方はここから先はお読みにならないでください!
 ここから2話は原作“ベトナム編”を現代のアフリカの独立後の混乱に置き換えたシリーズ。これ、本当に上手いと思います。もともと、原作も古さを全く感じさせないのですが、このアレンジによって現在の世界情勢に上手くフィットさせていて、本当に現代の問題として捉えることができるんですね・・・。ただ。ピュンマの国籍が架空の国になっちゃったのはちょっと残念ですが。
 BGがゲリラに売り込んだ兵器・ブラックモンスターを追いかけていたところをゲリラに捕らえられるジェット、ピュンマ、そしてジョー。ゲリラのリーダーでピュンマのかつての同志のカボレは、ピュンマが“008”と呼ばれていたことに戸惑ってました。00ズはBGの恐ろしさを説きますが、カボレたちは納得しません。・・・まあ、それも当然かと。それで、ピュンマのことを「008」と呼ぶカボレ。これ、仲間の断絶を象徴的に表しています・・・。 仕方がないけど、寂しい・・・。
 そうこうしていうるちに、大統領側についたBGからの攻撃。迎撃する00ズ。・・・この戦いからなんですよね。ジョーの気の迷いが全開!(でも、「君たちとは戦いたくないんだ!」とかいいながらしっかりサイボーグマンの急所を1発で仕留めてはいますが・・・笑)これまでの戦いでも十分・・・しかも、兵士とかいわゆる普通の人間も結構死亡してるとおもいますが??何を今更・・・って感じがしてしまいます。ともかくここでジェットが足を負傷。原作ほど派手な負傷ではないですね。とりあえず足がなくなってはいません。この辺も規制なんでしょうか・・・。(新ゼロではジェット、腕もがれてたよなあ・・・)
 カボレは同志をBGに殺され、やっとBGの悪業に気がついたようです・・・。でも、この戦闘で、00ズがサイボーグだと明らかになったわけですが、そこでの拒絶反応はないんですね。このへんがやっぱり新ゼロとは違いますね・・・。
 


第15話 さらば友よ
作画監督:丸山泰英
 
 別のアジトに向かう00ズと生き残りのゲリラたち。ジェット、サイボーグマンを倒して落ち込んでいるジョーを元気付けようとします。・・・彼なりの気遣いかと。さて、途中で一行はコブラーズアームに襲われます。ここでピュンマはサイボーグマン1号と対決し、彼がかつての同志ママドゥ?であることに気がつきます。でも、ママドゥのほうはピュンマを覚えていてもピュンマを倒すべき敵としてしか認識していないようです。
 一方、ジェットの容態の急変でドルフィン号まで戻ったジョーとジェットですが、そこで議論が繰り広げられます・・・。BGの目的について・・・そして、『サイボーグマン』は、話が分かるか否か、という点について・・・。ジョーたん、甘いです。甘すぎ。冷徹な判断力は皆無。世の中、感情論で何とかなるほど甘くは無い。ジョーの中途半端な甘さが、どうしても鼻につきます。一方ジェット、クチは悪いけど冷静です、ここは(笑)。博士の出した結論は、『サイボーグマンには記憶はあるが心は無い』ということ。戦闘に必要の無い感情は消去されているのだそうです。
 そして、ピュンマ救出に向かう00ズですが・・・ここでもリーダー004仕切ってます(笑)。しかしまあ、決心も出来ていないくせに、「やつらは僕が」とか言わないでほしい、ジョー坊や。みんなが迷惑します!・・・たまりかねた?ジェロニモに叱咤されてやっと吹っ切れたようですが。・・・吹っ切れてからのジョーは、強いけどね!だからちゃんとみんなの危機を救ってくれたし、最強のサイボーグの見せ場をたっぷり見せてくれましたけどね。
 ピュンマがなかなか吹っ切れないのは仕方が無いと思うのです。(ピュンマには甘いかしら、私)でも・・・ママドゥはかつての同志だし、それにピュンマは覚悟を決めた上で、ママドゥに対して最後の説得をしたのですから。
 最後は、このムアンバ共和国の未来への希望が感じられました。そして、カボレの暖かい言葉がとてもいいです。「いつかお前も・・・帰ってきてくれ。いつまでたっても、ここはお前の故郷なんだからな」
 ・・・というわけで、甘ちゃんジョー以外は、とっても素晴らしい2話でした。
 
 

 

2008.03.25