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TROY関連

☆アイネイアス、アンキセスとアスカニウス
ベルニーニ作/ボルゲーゼ美術館(ローマ・イタリア)


  


  トロイ落城の際に、年老いた父アンキセスと息子アスカニウスを連れてトロイを脱出するアイネイアスです。アイネイアスは、アフロディーテ(ヴェヌス)とアンキセスの間に生まれた、ということになっています。
 彼らをはじめとするトロイの落人たちはやがてイタリアまでたどり着き、ローマの始祖となります。かの、ユリウス一門の家名は、このアスカニウスの別名(“ユールス”とか“イウールス”とかとも呼ばれている)に由来します。

 これは ジャン・ロレンツォ・ベルニー ニが1618〜1620年に製作したもの。ただし、この作品に関しては、同じく彫刻家である父の影響を受けているといわれているそうです。
 彼の作品はどれも躍動感があり、肌や筋肉などの質感も素晴らしくて見るものを惹きつけます。若く美しい女性の像も魅力的なのですが、この作品のアイネイアスの憂いを含んだ表情もとても素敵です・・・。

 

☆アイネイアスのトロイ脱出
F.バロッチ作/ボルゲーゼ美術館(ローマ・イタリア) 




   

 上記と同じテーマですね。トロイ落城の際に、年老いた父アンキセスと息子アスカニウスを連れてトロイを脱出するアイネイアスです。下記のように、この作品がベルニーニの作品を生み出すきっかけになったのだそうです。やはり、アイネイアスの子孫を自負するローマの方たちにはこのテーマは好まれるのでしょうか・・・。

 これはフェデリコ・バロッチの1958年の作品で、10年前にオーストリア皇帝ルドルフ二世のために製作された作品の第2バージョン。ローヴェレ家の枢機卿ジュリアーノがボルゲーゼ家の枢機卿シピオーネにこの作品を贈ったそうで、この作品がきっかけとなり、シピオーネは、同一主題の大理石増を製作させようと考えるようになりました。そして、それがベルニーニによって実現された、ということのようです。 

    

☆レダ
レオナルド・ダ・ヴィンチ構想(作者には諸説あり)
ボルゲーゼ美術館(ローマ・イタリア)
 

 

 貞淑で美しい人妻レダを見初めたゼウスが、白鳥に変身して彼女に近づいて交わります。その結果、かの絶世の美女・ヘレネ、アガメムノンの妻となるクリュタイネストラ、そしてふたご座となったカストルとポルックスが生まれました。

  ずっと私は、これはダ・ヴィンチ作だと信じていました!大きな勘違いですね。でも実際、1893年までは、彼の真筆と信じられていたようです。その後、弟子のソドマ作、あるいはさらにその模写であるという説が有力のようです。またはダ・ヴィンチ死の年に未完成であった作品が、弟子サライに残されて加筆されたものという説もあるとか。まあ、結局、帰属については未解決ということのようです。