ローマン エンパイア(Imperium:Augustus) 感想


 ちゃんとは、1回しか観ていません。ですので、ローマ時代考証とか、真面目な感想はまずないと思ってください(笑)。私的萌え&突っ込みのみ、です。また、いい加減なところや勘違いなど多々あるかと思います。その点すみませんが、ご了承ください・・・。

 イタリアのTVドラマ・・・なんでしょうか。アグリッパ死の年頃から、アウグストゥスが自分の
過去を振り返る形で物語が進行していきます。そしてその合間に、“現在”の人間模様も描かれます。基本的にアウグストゥスは主役ですから、とてもいい人になってます(笑)。若い頃はすごく純真で素朴でまっすぐな青年として描かれているように思いました。
 若き日のアウグストゥス・・・オクタヴィアヌスは、田舎から、スペインに向かうカエサル軍に加わるためにローマに上京し、そこでリヴィアとの運命の出会いをします。その後、カエサルに跡継ぎとして認められることが示唆され、彼の死後アントニウスとの抗争を経てローマの第一人者となるまでの過程が語られていきます。この間に、失恋(リヴィアは、ティベリウスのお父さんと結婚します)や、リヴィアとの再婚(そのもののシーンはないですが)も織り込まれています。

 まず違和感があったのは何と言っても、“現在の”アウグストゥスが、ピーター・オトゥール、トロイのプリアモスパパ(笑)。大俳優なのでしょうが・・・やはりどうしても年寄りすぎの感じが否めません・・・。ユリアの夫アグリッパが死んだという時、同い年のアウグストゥスがよぼよぼのおじいちゃんじゃちょっと・・・・・・(笑)。ついでに言うと、若いときのオクタヴィアヌスも、私の好みからいうといまひとつ。絶世の美男子だったはずなのに・・・ちょっとがっかり(笑)
 ちなみに、この映画の一押し私のお気に入りは、若き日のアグリッパ♪かっこいいのです〜!素朴な感じ、でも芯は強そう。そしてちゃんと二枚目!!私の好みがかな〜り入っていますが、オクタヴィアヌスより気高くも感じました!(あとは・・・ユリアの思い人、ユルスも美男子でしたが、こちらはちょっと濃いめかな(笑))マエケナスはキャラとしては三枚目っぽい。でも、ここ一番はばしっと決めてくれてます。そういう意味では、若い頃の3人で一番ぱっとしないのがオクタヴィアヌスと言えなくも・・・(笑) 
 ただ、若い3人は、別に天才的人物とか言うわけではなく、特別に偏った人物とかいうわけでもなく、普通の若者、という感じなのです。その普通の若者たちが、“ローマのために”自分たちが何をなすべきなのかを必死で模索し、帝国の礎を築いていくという描写は、好感が持てました。オクタヴィアヌスがエラくいい人で、時に一番優柔不断だったりするのですが(笑)、欧米では逆に冷血漢と思われている彼を等身大の人間として表現したかったのかも・・・と思いました。


 さて、話のなかで1、2を争う位印象的だったのは、ティベリウスの母リヴィアのキャラクター。なかなかフクザツで、どういう人だったのか、いまひとつつかめないのです。本当にアウグストゥスを愛していたのかいないのか、どういう目的で彼に近づいたのか・・・。彼をただ愛していた、とも言い切れないし、だからといって愛していなかった、とも見えない。息子・ティベリウスをアウグストゥスの跡継ぎにしたかったのは確かだろうけど、私利私欲に走った結果だけ、というようにも見えない。・・・結局、一度観たくらいでは、私にはとても理解できませんでした。ただ・・・そういう複雑さは、ある意味“腹黒い”ような印象も受けます。アウグストゥスも、ただ“かわいい、かわいい”というような愛し方は、多分していない。不思議なカップルです・・・。二人の関係を端的に示すような台詞も織り込まれてはいるのですが、それでも私には理解できません!

 そしてそして、ティベリウスです!!・・・まあ、俳優さんはあまり好みではなく、特別いい人に描かれているわけでもないので・・・こんなものかと。でも、極悪人に描かれていないだけ安心して観ることができました(笑)。
 アグリッパの死後、リヴィアに、
離婚してユリアと結婚するよう迫られますが、その時ははっきりと反対の意を示しています。妻を愛していること、アウグストゥスを継ぐ気などないことを母にはっきりといっています。最後に母に皮肉を残して去るところもよかった!・・・でもまあ、結局はユリアと結婚させられちゃうんですけど。
 しかし、そのティベリウスに対するアウグストゥスやユリアの態度はちょっと許せません!!まずはアウグストゥス。愛のない結婚だから、ティベリウスはローマから追い出しで辺境の軍務につかせると(だから我慢して結婚しろと)ユリアに言うんです。ここで史実と照らすことは無意味だとわかってはいるのですが・・・。でもでも、あんまりです!!辺境の軍備は、重要なんですよ!?国境で軍が国を守っているから、帝国内が平和で安定しているんですよ!?アウグストゥスやユリアの台詞からそれは微塵も感じられないのです。さらに結婚後、ティベリウスが突然の帰宅をしたときのユリアの態度ったら・・・。“さっさと辺境での戦争ごっこに戻りなさい”(←記憶モードですが、大体こんな意味)ですよ!!!あなたがふらふらと浮気したりして楽しんでいられるのも、ティベリウスたちががんばって辺境で守っているからなんですよ、それがわからないの!!???・・・と叫びたくなってしまいました。このあと、ティベリウスが逆上してことに及んでしまうのですが・・・(私的にはこの展開も正直好きではないのですが)心情的には、彼の怒りはわからないでもないのです。第一、自分だって好きでもないのに離婚までさせられて結婚させられた、その相手にあんなに高飛車に出られる筋合いもないよなあ、と思ってしまうのです。それに、
たとえ夫婦だからって無理やり・・・ってのを肯定するわけでもないのですが、第一、自分だって好きでもないのに離婚までさせられて結婚させられた、その相手にあんなに高飛車に出られる筋合いもないよなあ、と思ってしまうのです。それに、たとえ夫婦だからって無理やり・・・ってのを肯定するわけでもないのですが、それでもまるで強姦されたみたいにその後ユルスに泣きつくユリアもまたちょっと・・・いやかなり、違和感があります。大体、ユルスとの不倫のほうが罪深いのに・・・・・・。

・・・と、結局この話について一番叫びたかったのは、この“ティベリウス弁護”でした(苦笑)。

 アウグストゥスの最後のシーン。これは、史実よりは幸せそうかも。実際には流刑になり、その後親子は断絶したままですが、映画ではちゃんとユリアが駆けつけるんです。アウグストゥスは、リヴィアに向かって、“お前の望みどおり、息子が皇帝になるぞ”みたいなことを言います。そのときのティベリウスの、さして関心のなさそうな冷めた表情はよかったです。ティベリウスという人物っぽい感じがしました。

以上、私の感想でした。・・・壮大な歴史ドラマを、こんな昼メロみたいな見方で貶めてしまってすみません(汗)