映画 バベル 感想(ネタばれあり)
バベル、あちこちにレビューがアップされてますね。中には、“は〜、そういうことか!”と思ったものもあるし、すばらしいものも多いのですが・・・。あまり読みすぎちゃうと書けなくなりますので、とにかく、1回観た率直な感想、ということで私はアップしちゃいます。 物語は、モロッコ、アメリカ〜メキシコ、そして日本と、それぞれの地で進んで行くのですが・・・。 アメリカ人観光客狙撃事件を軸にして、めまぐるしく変わる場面。一つ一つの事件は、ほんの些細なきっかけで、いつでも、どこでも起こりそうなことから始まってしまいます。ただ、どうしてこんなに悪いタイミングなの?という感じなんです。そして、どこででも、誰にでも起こりそうな心のすれ違い。どこの国を非難するとか、どこの国が正義とか、誰がいいとか悪いとか、そういうことじゃなくて、ただ淡々と現実が映し出されているような気がします。世界が変わっても、描かれている情景は、あまりにも身近で。アメリカ人夫婦のすれ違いも、ほんとに普通の身近な出来事(きっかけは、“身近”とはいえないかもしれませんが)。その夫婦が絆を取り戻して行く過程も、状況としてはとても日常的とはいえませんが、すごく理解できます。日本の聾唖の少女のことだって、一見すごくショッキングなんだけど、突き詰めてみれば、全然特別なことではないように思います。辛くて淋しくて、誰かを求めて・・・そんな感情って、多くの人が経験するのではないかなあ、と思うのですが・・・。それに、メキシコの若者のような苛立ちですら、私にも身に覚えがあります。(そのまんまのシチュエーションではないですが、もちろん)そんな、あまりに普通にあることの連鎖がかえって、胸につまされるといいますか・・・。 話は、各々の出来事に対して、結末まで見せていません。でも、救いようのない終わりではない。そこに私は救われました。私は、一筋の希望にでもすがって生きたいから。それに・・・あんな終わり方にしては不思議なくらい、中途半端感もなかったです。 号泣する話ではありませんでしたが、何かがこみ上げてくるような、そんな話でした。 |