2日目(21日)  その2)

** この日の観光コース **

ヴィラ・ヨヴィス 〜 
サン・ステファノ
教会)   〜 サン・ミケーレ教会 〜 ヴィラ・サンミケーレ  

雨で体中びしょびしょになったため、サン・ステファノ教会で一休みしたあと、一旦ホテルへ。
サン・ステファノ教会は人が多くて、日曜でもないのにこんなに信者がいるの?と思ったら、皆も雨宿りらしく(笑)
気を取り直して昼食をとった後、この日はアナカプリ側の観光をすることにしました・・・。
サン・ステファノ教会の紹介は後日。

その1 から続いています・・・

☆ サン・ミケーレ教会 (Chiesa di San Michele) ☆  


        

 テレジア会修道院と共に、マドレ・セラティーナ修道女によって、1698年から1719年にかけて建設された教会です。設計者は、ナポリのアントニオ・ヴァッカーロで、縦横の長さが等しいギリシャ十字の建物に8角形の中心を持ちます。壁は綺麗に漆喰で仕上げられています。

 床のマヨルカ焼きの装飾は、ソリメーナ(F.Solimena)の原画を元にして、アブルッツィオ出身のマヨルカ焼の職人であるレオナルド・キアイエーゼ(L.Chiaiese)によって製作されたものです。彼は、タイル焼きの巨匠、と、呼ばれていたそうです。絵のタイトルは、『アダムとイヴの楽園追放(La cacciata di Adamo ed Eva dal Paradiso Terrestre)』。楽園の動植物が生き生きと表現されています。
 左の写真のように、タイル床の周辺に歩道がしつらえてあるので、ここを歩くことができます。また、パイプオルガンの設置されている上階から眺めることもできました。もちろん、写真は上から撮ってます。  
  祭壇には、大天使ミカエルの絵が飾られているのですが・・・この写真では真っ黒ですね(笑)私はクリスチャンではありませんが、ミカエルさまは好きです♪

 
 

      



☆ ヴィラ・サン・ミケーレ(Villa San Michele) ☆

    
 
 

 スウェーデン人の医師で作家のアクセル・ムンテ(Axel Munthe)が、アウグストゥス〜ティベリウスの12のヴィラの一つと推測される屋敷跡に建てた別荘です。建設には1896年から1910年までかかったようで、敷地内に礼拝堂を移設したり、多くの出土品を建物内や庭に展示したりしています。・・・ある意味、ものすごくゼイタクだ・・・!

 彼の作品である“サン・ミケーレ物語”は、世界45ヶ国語以上に翻訳されています。(私も早速購入しようとしましたら、絶版。結局Amazonで古本を購入しました)ティベリウス帝の亡霊のようなものがちょびっと登場したり、彼の縁の品についての記述がちょこっと出てきたりします。そうかといって、話自体は、別にカプリ島が中心の話でもないのですね。体験談なのか創作なのかわからない、ちょっと不思議な小さなエピソードがちりばめられています。あとは彼の医師としての体験談と思われる話も。・・・やっぱり正直、日本でヒットしそうな雰囲気の内容ではなさそう(だから絶版になったんだど・・・笑)なのですが、やはりヨーロッパの方々には相当受けているのでしょうか。なんと、欧米人の団体さん(!)が引きもきらず次々とここを見学に訪れていました。(・・・私的には、欧米人が団体旅行をする、ってとこがもう、驚きでしたが・・・)

 先のヴィラ・ヨヴィスを案内していただいた通訳さんの知り合いにスウェーデン大使館の方がおられるそうなのですが、その方は、「彼の行動はスウェーデン人として恥ずかしいと思う」と言っておられたとか。ムンテは自然、野鳥保護のために島のかなり広い領域を買い取り保護区としたのですが、別の見方をすると、島民を騙して二束三文で土地を買い占めた、とも言えるようです。
 ちなみに・・・現在は、このヴィラ・サン・ミケーレ、およびバルバロッサ城は、スウェーデン政府が所有しているのだそうです。

 それでは。このヴィラの紹介をしましょう・・・。まずは、入り口前。この柱もおそらく発掘品のひとつ。入り口のほうは・・・イマイチぱっとしないな〜・・・と、そのまま撮りそびれてしまったので、写真ナシです(汗)

      

  玄関ホールには、ポンペイの有名な“猛犬注意”のモザイクのレプリカ
  がありました。そして、次はダイニングキッチン。やはり入り口にモザイク
  が。こんな面白い絵柄(笑)。これもレプリカかなあ・・・。



  下の写真は、そのキッチンの一部です。広々としてい
て、使い勝手も
  よさそう♪
  でも、道具はとっても古そう・・・ですねえ。100年なんてもんじゃないく
  らい古そうに見えたように思いますが、こんなもんなんでしょうか。


    


 続いては、アトリウム。すなわち、古代ローマの邸宅の様式を真似た、中庭がありました。ここにあったのが2つの銅像。てっきりティベリウスかと思って写真を撮りましたが、よく見るとなんか違う・・・。でも、アウグストゥスでもないような。
 これは、19世紀に作られたコピーらしいです。資料をみると、ポリュクレイトス(ギリシャの彫刻家)の像だって。彫刻家の像って、変な気も。彼の作品、って意味なのかしら。・・・ちなみに、女性のほうは、初代皇帝アウグストゥスの妻、リヴィアです。

      

 ここの壁面には、発掘品もいろいろと飾られています。こんな風に、柱頭?部が柱のラインにあわせて埋め込まれたり。

     

 ↓こんな風に、窓のところに飾られているのも、さりげなく発掘品。 右写真の壁に埋め込まれてる破片のようなものも発掘品。ここまでやるかなあ・・・って感じもしますが(笑)

       

       こんな風に、立派なレリーフも壁面に埋め込まれてい
  ます。・・・家の中に博物館があるようなもんですよね。
  何てゼイタク!!!
   このヴィラ跡から発掘されたものもあれば、方々から
  収集したものもあるようですが・・・。

 こちらは、フランス式サロンにある、メデューサの頭部。ハドリアヌス帝の時代のもののようです。・・・そして、右はヴェネチア式サロン。部屋の中の柱も発掘品・・・

      

 サロンを出たところ。出入り口にもまた、発掘されたと思しき柱が。


 そして、この出たところは、彫刻のロッジャ。さあ。続いては、今回唯一のティベリウス像です。出来はイマイチかな〜(笑)。髪の毛の流れが繊細さに欠ける・・・。顔の造詣も、悪くはないですが、他のティベリウス像とちょっと雰囲気が違うような。あ、一説には、ゲルマニクス像かも、って話もあるようですが・・・。ゲルマニクスとはちょっと違いそうですがねえ・・・(ローマ人の物語に載っていた彫像との比較で、ですが・・・)

   

 そのほかの展示物・・・オデュッセウスの像もあったらしいのですが、ティベリウスに夢中になっていた私は気がつかず・・・(苦笑)。・・・というわけで、よくわからない、その他の展示品たち。・・・壁に埋め込まれたもの、飾られたもの、そして、いかにも放置されたようなものも・・・!!!

     

     

            続いては、ペルゴラ(つる棚)の道。ここも・・・天
  気がよかったら、もっとすばらしい景色だったのでし
  ょうが・・・。でも、素敵な散策スペースです。

 ちなみに・・・ペルゴラの道を下から見上げると、
こんな感じ。この写真は、ヴィラの入り口からフェニ
キア人の階段につながっている道から撮りました。
     

 続いて・・・庭の写真です。左は・・・東屋みたいな感じなのでしょうか、特に部屋という感じでもなく、屋根と壁があるだけのスペースでした。右も、なんということもない場所なのですが、こんなところにも古代の建造物の柱が使われているのが興味深かったので撮影しました。

       

↓左は大天使ミカエルの礼拝堂近くの聖ミケーレの木像。(ミケーレとミカエルって、同じじゃないんですかねえ・・・どうも、キリスト教聖人などのお名前はよくわかりません・・・)
 右は、紀元前11世紀のエジプトのスフィンクス。赤御影石の像です。

          

 ↓こちらはチャペル、ですが、ムンテ氏は図書室、音楽室として使用していたそうです。彼は歌もお上手だったらしく、バリトンの美声の持主だったようです。そして、よくこちらにお客様を招待し、アンサンブルを楽しんだとか。スウェーデン女王さまとかもお客様の常連だったようで、アンサンブルを楽しんだりもしたようです。
 右の写真はもう・・・どこで何を撮ったのか不明(汗)。

                

 最後は、バルバロッサ(=赤ひげ)城(Castello Barbarossa)。山の上に見えるのがそうです。これは、12世紀に作られたものだそうで、アルジェリアの海賊が1535年、14ヶ月の攻撃の末に陥落させたのですが、粘り強く応戦した島民に敬意を表して残したのだそうです。この近くに、WWFパークという自然公園があるそうです。この城近辺もヴィラ・サン・ミケーレの一部としての位置づけのようです。位置的には、この左下あたりに、ヴィラ・サン・ミケーレがあります。

 

 

○ チェーザル・アウグストゥスからの眺め ○

 午前中は大嵐にあったというのに、夕方はこんなに綺麗な景色でした・・・。右は、ヴェスヴィオ山です。
 この日は、ホテルでドリンクパーティに参加しました♪モチロン、タダですが・・・ツマミはオリーヴくらいなので、そんなにたくさんは飲めません(苦笑)。グラスを片手に、テラスを散策しましたが、風が強かったのが玉にキズ・・・。
 初日のバスで一緒だった、サンフランシスコのご夫婦も参加されてました。お二人は、この日は天気が悪かったので部屋で指圧(英語でも、イタリア語でも“Shiatsu"みたいです!!)を楽しんだそうです(笑)
 どうも、オーナーが酒飲みらしく、オーナーがお客さんたちと楽しく飲みたい、というような企画のようですね〜・・・。いいなあ。趣味と実益が一致してる・・・

    


 ↓左の写真は、プリマポルタのアウグストゥスのコピー。でも・・・現地の本には、“古代ローマ時代の遺構”とか紹介されてる・・・そりゃまずいでしょう、と思うのですが・・・。ともかく、この像は、このホテルのシンボルですね。カプリから坂道をあがっていくと、この像が眼に飛び込んでくるのです。
 そして・・・右の写真は、ホテルのテラスから下を覗き込んだもの。海岸線の真ん中の出っ張りの上側あたりが、ティベリウス帝の浴場(Bagni di Tiberio)、そのあたりからさらに上にかけて、海の離宮(Palazzo a Mare)があったそうですが、今では大部分が破壊されてしまったようです。

      

 
 大変な1日ではありましたが、この日もおしまい。


2009.11.08