3日目(22日)  その1)

** この日の観光コース **

ウンベルト1世広場 〜 サン・ジャコモ修道院 〜 アウグスト庭園
 〜 サン・ステファノ教会 
〜 サン・サルバトーレ教会 〜 サン・コスタンツォ教会  〜 カプリ島一周

この日も、前日に引き続きいいお天気!でも9月というのに・・・ホテルでも海辺でも水着姿の欧米人が・・・。
ほんと、彼らは焼くのが好きなんですね〜。皮膚がんとか気にならないのでしょうか??

またしても長くなってしまいそうなので、この日もその1、その2に分けます!
 

☆ ウンベルト1世広場/小広場 (Piazza Unberto: La Piazzetta di Capri) ☆   

 カプリの街の、そしてカプリ島の中心ともいうべき広場でしょう。ピアツェッタの名で世界中に知られ、今も各国の著名人が集まる“サロン”だそうです!とにかくにぎわっています。アナカプリのちょっとひなびた雰囲気とは大違い!この界隈は、カプリでも一番栄えているところで、ここからブランドショップの並ぶ通りや、カプリ一のスーパーデラックス(笑)五つ星ホテルに通じる道などがあります。治安もいいので、ブランド品を買いあさりたい方々にも安心、安全な街です・・・。ちなみに、私たちには全く縁がありませんでした。(私は・・・ちょっとぐらいみたかったけど・・・夫のほうが全く興味がないので・・・)
 にぎやかで華やかな通りの反対側といいますか・・・別の方角には古い町並みが広がっています。アーチのあるくねくねとした小さな路地や潜り抜け道などは、なかなか趣きがあります。カプリの街は車両進入禁止なのですが、それは小さな路地が多いせいかもしれません。
 もともとは、紀元前6〜5世紀の間に古代ギリシャ人が築いた城砦の一部なのだそうです。ほんの少しですが、この時代の城壁の一部が展望台の端のほうに残っているそうです・・・。

 このちょっと変わった時計塔(Torre dell'Orologio)が、広場のシンボル。フニコラーレと呼ばれるケーブルカーが到着するのも、この広場です。(人物なしの写真を撮り忘れてしまったので・・・、見苦しくてすみません・・・(笑))

     

 ↓左の写真は、フニコラーレ(ケーブルカー)の駅のテラスです。とても見晴らしがよく、島の全貌が見えます♪ そして右の写真は・・・読みづらいですが、広場の周りにあった、ティベリオという名のバール。なんだかんだいって、ティベリオという名前はよく見ます。・・・結構愛されてる?ティベリウスさん♪(笑)

     

 


☆ サン・ジャコモ修道院(La Certosa di S. Giacomo) ☆        

 別名?カルトゥージア修道院とも呼ばれているようです。ここも、ティベリウスの別荘の跡地らしいので、何か遺跡が見られるのかと期待していったのですが・・・残念ながら、そういうものが残っていると思しき場所にはたどり着けませんでした。修復などが行われているせいなのか・・・見学できない部分もありましたし。しかし、アウグスト庭園(後でご紹介します)からみると、修道院の大回廊の横に遺跡らしいものが見えています・・・。下写真中央部付近がそれ。修道院内の教会や鐘楼は、写真の左側なのですが・・・興味の対象が遺跡だったため、写真を撮るのをころっと忘れてました(笑)。旅行記書こうというのに、まだまだ修行がたりません〜!

 

 ナポリ公国女王、アンジュー家ジョヴァンナ1世の側近ジャコモ・アルクッチ・カプリ伯爵(Giacomo Arucucci)が、海に面した南向きの斜面にある、ティベリウスの6番目の別荘跡地とされる場所を発見し、ここに修道院を建てることを提唱したそうです。そして1371〜1374年にかけてサンジャコモ修道院が設立されました。修道院は度重なる襲撃を受けましたが、1563年に海賊の襲撃に備えてカルトゥジオ会の修道士が新たに砦となる塔を建てて、以降1636年まで断続的に補強、拡張されました。1691年には大回廊や鐘楼などが修復され、修道僧たちの勤めが再開されました。その後はフランス軍の兵舎になったり、刑務所、療養所、病院などとして使用されたりしています。
 1924年に一部が修復され、現在は公立図書館、高等学校、美術館を兼ねる施設となっているそうで、内部の修復作業は現在も続けられているそうです。

 さて。まず左の写真。こちらが修道院の入り口です。入り口は少々分かりにくかったです。表口なのか裏口なのかもよくわからない・・・という感じなのです。右側は入り口横に置かれていた、柱と思しき大理石の塊。これはヴィラの跡から発掘されたものなのかな〜・・・と。(こういうものに解説が一切ないんですよね・・・)

     


   修道院内のかつての大食堂は、現在は修道院博物館の一部となって
  いて、晩年をカプリで過ごしたドイツ人画家・ヴィルヘルム・ディーフェンバ
  ッハ(K. Wilhelm Diefenbach)の部屋、と呼ばれており、彼の大作が展示
  されています。

   室内に、修復などについての説明らしきもの(笑)がありました。ここで、
  私的に興味をそそられたのが、これ。IR(赤外吸収)スペクトルですね。お
  そらく絵の具だかなんだかの分析結果なんでしょうが・・・。スペクトル二つ
  写真に撮ったところで、「撮影してはいけません」と注意されてしまいまし
  たので、本文を撮影できませんでした。なんとなくゆっくり読む気にもなれ
  なかったので、結局何のスペクトルで、どういう風に結果が用いられたの
  かが不明なまま。・・・でも、こういう分析が、こういう分野でも役にたってい
  るのね〜、と、ちょっと感動♪
   私もIRは使っていますが、スペクトルを読み取るのはイマイチ苦手なの
  で・・・このスペクトルから資料もなしに物質の同定まではできません・・・
  残念。今度データベースで調べてみようかな〜(笑)  

 下の写真は、いずれも大回廊の中で撮ったもの。右の石の塊・・・これも何か遺構かな〜と思いながら写真を撮ったのですが(笑)。

       

 これは、修道院内にある、サンジャコモ教会(Ch. di S. Giacomo)。
修道院内では最も古い部分だそうです。・・・が、鉄柵の扉が閉まって
おり、中に入ることはできませんでした。jこれは、柵のすきまから撮っ
た写真。
 手前の扉の上部には、中央に聖母マリアと幼子キリストの座像
(14世紀末のフレスコ画)が、その両脇には聖ブルノーネと聖ジャコモ
のレリーフが飾られています。奥の聖堂内のフレスコ画はm、1600年
代末のものらしいです。




☆ アウグスト庭園(Giardini di Augusto) ☆    
 

 ドイツの鉄鋼業界の有力者クルップ氏(Friedrich Alfred Krupp)が、別荘の一部であった庭園をカプリの町に寄贈したあと、ローマ皇帝アウグストゥスにちなんで名づけられた庭園です。庭園も美しく整備されているのですが・・・何といっても、一番素晴らしいのは、ここからの眺め。カプリ島の南側の海岸線が一望できます。

ちなみに・・このクルップ氏。ガイド本には上記のように紹介されてましたが、実は兵器で儲けた人なんですね。クルップ式とかいう拳銃を作った人だそうです(夫談)。・・・なるほど。ある意味、死の商人だわ。死の商人は儲かるんですね〜

 では、庭園からの眺めを・・・。途中からだと、左の写真のように木がじゃましてますが、展望台までいくと、右のように開けています。

     

     この折り重なるように続く道は、ヴィア・クルップ(Via 
  Krupp)といいます。クルップ氏が、当時滞在していたホ
  テルからヨットの泊めてある港(マリーナピッコラ)に歩い
  ていけるようにと私道の敷設を計画し、技術者エミリオ・
  マイヤー氏(Emilio Mayer)が、地元の石材を用いて完
  成させました。『世界で一番美しい小道』とも言われて
  います。

海の上に顔を出している大きな岩は、ファラリョーニ(Faraglioni)と呼ばれる奇岩群。



☆ サン・ステファノ教会(Chiesa di S. Stefano) ☆

 現在の教会は、580年に建てられた古い教会の基礎の上に16世紀後半に建てられたもので、もともとは聖ソフィアを祭る教会、もしくは現在とおなじ聖ステファノを祭る教会、との2つの説があるようです。
 バロック形式の建築で、ナポリの建築家F.A.ピッチアッティ(Fr. Antonio Picchiatti)の設計を、1695〜97年の間にアマルフィの建築家マルツィアーレ・デシデリオ(Marziale Desiderio)が完成させたそうです。
 もともとは、マリーナ・グランデにあるサン・コスタンツォ教会にあった、カプリの守護聖人である聖コスタンツォの遺骨や、お祭りで担ぎ出される聖コンスタンツォの胸像がここに保管されいています。

 建築学的にもいろいろ魅力あるもののようですが・・・そんなところに私の興味はございません(笑)! 私的一番の見所は・・・なんといっても、主祭壇の大理石の象嵌細工の床!・・・これは、ヴィラ・ヨヴィスの『トリクリニウム』(横臥食卓のある食堂)の床が移されて来たものなんです!!ご覧ください、この美しい床を!(・・・って、分かりにくいですかねえ。)こんな素晴らしい床が、あのヴィラ・ヨヴィスに敷かれていたんですよ〜・・・やっぱり、とても素敵なヴィラだったんでしょうねえ。      

          

      私の興味は『床』ですが、一応祭壇の全体像も。美しいです。花も
   美しく飾られていましたし。白のアジサイみたいな花と、紅いバラ 
   ・・・だったかなあ・・・。ちょうど、ヴィラ・ヨヴィスを訪ねた帰りに雨宿
   りをしていたときに、お花をセッティングしていました。

これは、前々日に、雨宿りしたときに撮った写真。天気が悪いと、教会の中もどんよりと暗く、全然印象がちがいますね〜。

 こちらは、主祭壇の左側にあるロザリオ礼拝堂で、この床は、トラガーラから持ってこられたと資料に書かれています。トラガーラにはかつて、ローマ時代の大邸宅(誰の、との記述は見つからず)があり、その唯一残っていた遺跡である床が1892年に修復され、ここに持ちこまれたようです。

    

 これが、お祭りで担ぎ出される聖コスタンツォの胸像。聖コスタ
ンツォは、カプリ島の守護聖人なのだそうです。
なぜか・・・地元の方とおぼしき小母さまが、(英語通じないけど)
教会内を案内してくださり、主祭壇の裏にある展示スペースにまで
連れていってくれました。



☆ サント・サルバトーレ教会(Ch.del SS.Salvatore) ☆

  ガイドブックには、ヴィラ・ヨヴィスからの発掘品が保管されていると書かれていた教会。ウンベルト1世広場から、狭い路地を通ってたどりつきました。・・・が、閉まってました。残念。
 昔の小さな教会の跡に建っていて、一応修道院付なのだとか。ファンザーゴ名匠の門下であった、ディオニージオ・ラッザリの設計により1661年から1685年の間に建てられました。

         


(ここで、フニコラーレに乗って、カプリの町からマリーナグランデに移動しました・・・)



☆ サン・コスタンツォ教会(Ch.di S.Costanzo) ☆

 カプリ島の守護聖人、聖コスタンツォを祭る教会。ビサンチン様式の教会が987年に古いバシリカ様式の教会の土台の上に建てられた後、1300年から1930年代までの数世紀にわたり拡張、改装されてきたそうです。987年から司教公邸であり、司教が1560年に聖ステファノ教会に移ってからは、修道者の定住所となったそうです。また島民が丘の上のカプリに住み始めてからは、サン・ステファノ教会のほうが町のメインの教会になっていったそうで、1723年、正式にサンステファノ教会のほうが正式な地区教会になったようです。

 

 ここの見所は!・・・アウグストゥスが建てたといわれる、海の離宮(Palazzo di Mare)から移設された大理石柱です。でも一部は、ここからさらにカゼルタ(どこにあるんだろ〜不明です)の王宮に移されてしまい、かわりに花崗岩の柱が据えられているとのこと。石の種類やデザインがいろいろと変わっているのも興味深いですね。どんなお屋敷だったんでしょうか・・・。

 

 聖堂の隅に置かれていもの。水盤・・・ですかね?こんな
ものも、遺跡からの発掘品かな〜・・・と思いまして。
      

  前半の最後は・・・教会から港に戻る帰り道でマリーナグランデ方面を撮った写真。海の色が美しいです。遠くにソレント半島も見えます。手前の浜みたいに見えるのは、一応海水浴場。肌を焼いているひともちらほら見えました。(でも、こちらは島の北側なので、日焼けには向かないような・・・)。ただし、砂浜、というよりは白い小石の浜なので・・・裸足だとちょっと痛そう!

 このあと、マリーナグランデのバールでお昼ご飯。そして・・・カプリ島周遊ツアーに出かけます!            その2


2009.11.29