6日目(25日)

** この日の観光コース **

共和国広場 〜 サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会   
〜 サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会


イタリア最終日。あまり時間がなかったので、ホテルからちょっとお散歩を兼ねた観光で終了。
・・・どうでもいいことですが・・・空港⇔テルミニ駅の電車の料金が行きと帰りで違ったんですが・・・理由は謎。

☆ 共和国広場(Piazza della Repubblica)   

        

 別名、エセドラ広場とも呼ばれています。ここは、かつてのディオクレティアヌス帝の建設させた浴場 (Terme di Diocleziano) のエクセドラ(exedra(ラテン語),イタリア語でesedra)をそのまま広場にしたものなのです。この巨大な半円形が、風呂屋(笑)の外周なんですよ!!も〜〜驚きの一言。・・・ちなみに、右写真の左側が、ホテル“Exedra”、通りをはさんで右側の建物内には 、小さな“ローマ三越”があります。中央の噴水は、『ナイアディの噴水(Fontana delle Naiadi)』と呼ばれており、彫刻家マリオ・ルテッリにより1901年に完成されたそうです。

  せっかくですので、ディオクレティアヌスの浴場の説明をここで。この浴場は、起源295年に着工し、305年に完成したそうです。10年という長期間かかっていますが、「巨大でもあったからだろう」(ローマ人の物語より)。何と、収容人数は3千人だそうです!!
 古代ローマの浴場は、熱浴、温浴、冷浴と
いったお風呂施設のほか、体育場、図書館、絵画館、音楽会場、ゲーム室、遊歩回廊などが備えられていたのだそうです。特に、プールのような冷浴室(フリジダリウム,frigidarium)の周囲には、神々の裸像をはじめとする大理石の立像が立ち並んでいたそうで、非常に豪華だったんですね。当時のローマ人は浴場のことを、『庶民の宮殿』と呼んでいたのだそうです。
 非常にタイムリーなことには、2009年発売された「ローマ人・・・」の文庫35巻に、この浴場が取り上げられています。

☆ サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会(Santa Maria degli Angeli) ☆

  上の、ホテルやローマ三越の建物の広場をはさんで反対側にあります。ちょっと分かりにくいですが・・白い壁の右側の半円形にへこんだ部分が入り口です。
 ここも、もともとローマ時代のディオクレティアヌスの浴場であった場所ですが、諸天使と、浴場建設時の殉教者に捧げるために1561年、法王ピウス4世が教会の建設を命じて造られたものです。建設を依頼されたミケランジェロが、浴場の建物のオリジナルを極力残そうとしたため、当時の浴場の規模を推測することは可能です。ただし、18世紀に大幅な改修が行われてしまったそうなので、内部の装飾などは新しいのでしょうね。この教会の外壁は、かつての熱浴室(教会の外側)と温浴室を隔てる壁で、入り口の半円形のへこみはエクセドラ部分だそうです。

 教会の入り口から入ってすぐの部屋は、かつての温浴室。ドーム屋根は新しいのかな・・・。右の写真は、温浴室から冷浴室方面を見ています。

      

 こちら↓。左の写真が、教会のメインの空間です。ここはかつての冷浴室、要するに温水プール、といったところでしょうか。壁の装飾なんかは新しいものでしょうが、柱の大きさ、天井の高さはかつての規模のはず。すごい大きさです!!通常、教会はどちらかというと、縦長の十字形なのですが、この教会はこの冷浴室の空間を生かすために横長の十字形となっています。
 この部屋の向って右側(写真の奥のほうになります)の床には、日時計の目盛りが埋め込まれていました。18世紀、教皇クレメンス11世の時代には、この日時計で復活祭の日取りなどをきめていたとのこと。
 右側は、教会の隅にあったパイプオルガン。

      

 大広間の奥には小さな部屋があり、そこはローマ時代の遺構が残っているように見受けられます。そして、その薄暗い部屋の中に、ディオクレティアヌスの彫像がありました。とても暗かったので、フラッシュ無しの写真(左)は加工して何とか見える、という感じです。一方、右側はフラッシュをたいてとりましたが、やっぱり、フラッシュなしのほうが表情はいい感じですよね・・・。もっと高感度なカメラで撮らないと駄目、ってことか・・・。

      

  ディオクレティアヌスは、かつて、キリスト教徒を弾圧したことがあります。対キリスト教徒勅令が303年に発令されています。よって、この浴場の建設期間10年のうち2年間は、強制労働にキリスト教徒が借り出されたようです。よって、この教会が、『聖母マリアと天使と殉教者の教会』という名前になっているようです。



☆ サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会(Santa Maria della Vittoria) ☆  

 カルロ・マデルノがボルゲーゼ枢機卿の依頼で17世紀に建てた教会。本来は聖パオロに捧げられたのですが、後年、プラハはボヘミアのフリードリッヒの軍隊に対するカトリック軍の勝利を記念するものになったそうです。だから“ヴィットリア”なんですね〜!
 小さいながらも、バロック建築装飾の典型的な一例だそうです。内部は単廊式で、左右に3つづつ礼拝堂があります。

 

 ここで有名なのは、なんといっても、ベルニーニの作品。しかも、2009年(でしたっけ???)、映画「天使と悪魔」にも出てきた作品です!
 入って左奥の礼拝堂の祭壇に、ベルニーニの作品「聖テレーザの法悦/神の愛に打たれた聖テレーザ(Teresa trafitta dall'amor)」があります。アップの写真は(カメラの性能的に・・・笑)撮ることが出来ませんでしたが・・・聖テレーザの表情が、とっても色っぽくて、かつては物議をかもしたそうです(笑)。確かに資料なんかでみる聖テレーザといったらもう・・・!!!
さすがベルニーニ、の一言に尽きますね!この作品は、1640年代後半、ベルニーニ最盛期の作品の一つだそうです。

   


 ちなみに・・・この教会の向い側あたり(向きは90°ずれてますが)に、モーゼの噴水があります。今回は、この噴水周りは囲われていて、見ることが出来ませんでした。十数年前のハネムーン、そして2年前と汚い彫刻だ・・・と思いながら見ていたのですが(笑)ついに、洗浄作業にはいったのかな〜。次回訪れるのが楽しみです♪ ちなみに、モーゼの噴水はこちらでご覧ください。 (→)  
   


以上です。これで、長いような短いような、イタリアの旅は終了です。長らくお付き合いいただき、本当にありがとうございました!


2010.01.21