3日目(24日)

** この日の観光コース **

サン・ピエトロ大聖堂〜ヴァチカン博物館〜オペラ鑑賞



この日もまたまた暑い! 今回は、1日目午後の現地ガイドさんに、個人的に聖堂の案内をおねがいしました。
ヴァチカン博物館では、途中道に迷って、2周(場所によっては3周!)も回ってしまいました(泣)



☆ サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro)  

  
   


 ご存知、カトリックの総本山。左は聖堂、右は聖堂前の広場です。広場はベルニーニの設計です。他にもベルニーニはあちこちに関わってます。
 ここは、もともとは、3代目皇帝であったカリグラが作った競技場の跡です。5代目皇帝ネロが、ローマ市内の火災の罪を(自分が疑われたために)キリスト教徒にかぶせ、サン・ピエトロ(聖ペテロ)をはじめとしたキリスト教徒をここで処刑しました。キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝が、このサン・ピエトロ殉教の地に聖堂を建てたのがはじまりです。聖堂前の広場に建つオベリスクは、カリグラがエジプトから運ばせたものです。
 今の聖堂が完成したのは、1626年。この聖堂を建てるための資金繰りのために発行されたのが“免罪符”。これがきっかけで宗教改革が起こり、ヴァチカンは多くの信者を失ってしまったそうです・・・・・・。



     
 

 聖堂内部をちょっとだけ・・・。左は、若き日のミケランジェロの作品、ピエタ。今回は、はるかかなたでしか見ることが出来ませんでした。右は、最大のクーポラ(円屋根)を見上げたところ。
 内部は、さすが荘厳な雰囲気でした。見所ももちろんたくさん。でも私、クリスチャンではありませんので、宗教的に重要な品々の解説はやっぱり無理です・・・・・・。



☆ ヴァチカン博物館(Musei Vaticani)  ☆

  ・・・博物館の場所は、聖堂の隣なんですよ!!でも、入り口ははるかかなた。しかも、世界中からの観光客で大混雑。美術館に入るまで、炎天下で1時間も並びました!!お義母さんごめんなさい・・・・・・。
 ちなみに、
ヴァチカン博物館は、多くの美術館、博物館などの集合なのです。
 

 とはいえ、ここからが、私の萌え全開(笑)。・・・すみませんが、どうかお付き合いくださいませ・・・。


☆ キアラモンティ美術館(Museo Chiaramonti) ☆

 古代(ローマ時代)彫刻メインの美術館。皇帝像や、神話の神々がたくさん。ここに、愛しの(笑)ティベリウスも♪
・・・というわけで、まずは一つ目のティベリウス像。

   

 すっごく気難しい顔をしてます(泣)。・・・なんだか、こんな顔をみても、可哀想になってしまいます。彼の背負ってしまったものの重さに思いをはせてしまいますから・・・。ティベリウスの顔は、目が大きくて、唇が薄いのが特徴だと思います。あと、パーツがわりと中心寄りかな。 そして、体格のほうですが、かなり立派だったらしいです。そもそも彼は自分を良く見せる、などということには無関心だったでしょうから、本当にこれくらい良かったんだと思います。(ちなみに、アウグストゥスは、彫像の体格も少々偽っていたらしい・・・)
 何歳ごろの、とか、どういう意味の、とかわからないんですよね、残念ながら。でも、こういう裸(に近い)格好は、神格化に近い意味があるというようなことをどこかで見たような気がします・・・。ただ、ティベリウスは、“神格化”とか、権威、といったものは、極力避けていたようで、統治上必要のある場合にしか、こういったものは利用しなかったらしいのです。特に東方では、統治に権威が必要だったようですから、もしかしたらこういった像は東方向けだったのかなあ・・・?ま、これは私の想像ですが。
 オーディオガイドでは解説してくれてるようでしたが、借りなかったんですよね・・・ほんとに残念。普段、オーディオガイドは、普段はできるだけ借りるようにしているのですが、やはりお義母さんそっちのけでガイドを聴くのも気がひけて・・・・・・。

 そして、二つ目のティベリウス像がこちら。

    

 こちらのほうがちょっとかわいいとおもいます♪若くも見えますし。これは、私的には、一番のお気に入り像かな〜〜♪もちろん、ばっちり、ツーショット写真も撮りました(笑)☆
 これは、樫の葉の冠(市民冠)をかぶっているのだと思います。冠をかぶっていると、うしろにリボンが結ばれているので、それもなんともかわいらしいんですよね〜♪・・・そしてこれも、裸にマントだから、多分神格化に近い意味合いがあるのではないかと思うんですが・・・・・・やっぱり詳細は不明。あと、右にもっているのは、指揮丈・・・かな?左には剣を持っています。きっと、このスタイルに意味があるのよね・・・ほんとにオーディオガイドさえ聴いていれば〜〜と後悔後悔!!!

 そして、この像の隣にあったのが、ティベリウスの頭像。

  結構ハンサム♪・・・ただ、大理石の色が、なんだか髭みたいでちょっと(笑)。 ともかく、やはり、気難しそうではあっても、知性と気品は感じられます。(特に後の方の皇帝たちの顔と比べると、本当にそう思います)


☆ 新回廊(Braccio Nuovo) ☆

 ここも、古代彫刻が展示されてます。一応見所のひとつ、プリマ・ポルタのアウグストゥス像。これは、彼の妻(でティベリウスの母)リヴィアが、夫の死後作らせたものらしいです。

 ついでなので、もうちょっとアウグストゥスを。やっぱ、顔はいいです、この人。・・・でも、これらの彫刻は、もう、どこにあったか記憶もイマイチ(笑)もちろん、古代彫刻のエリアではあったのですが・・・。

  

 左側は、トーガの端で頭を覆っているので、神祇官姿ですね。右は普通のトーガ姿・・・かな??

 ☆ ピオ・クレメンティーノ美術館(Museo Pio-Clementino) ☆  

  こちらも古代彫刻です。本当は、ここに、例の“クニドスのヴィーナス”があるはずだったのですが・・・。この界隈、実は(心ならずも)3回も通って、最後にやっと、ヴィーナスのある部屋に行けた(それまでは通行規制をしてた)のです。それなのに・・・なかったんです、彫刻が!BGに盗まれた(笑)・・・ってことはないでしょうが、きっと貸し出し中か、修復中なんでしょうね・・・残念でした。

 ・・・というわけで、そのほかの彫刻をご紹介。

    

 まずは、中庭に面して展示されている彫像のうち2つを。
 左は、ラオコーンです。(これは、Museumで紹介してます。)いろいろと解説を読むと、発見場所の記述が微妙に違うんです。その中で、何とかつじつまが合いそうなのは、ネロの黄金宮殿。これは、エスクリーノの丘にあり、後にトライアヌスの浴場が作られた場所でもあります。まあ、だから、どれかの単語が入っていれば、同じ場所を指しているのかな?と。
 右は、ベルヴェデーレのアポロです。これは、アテネのアゴラに置かれていたブロンズ像の、ローマ時代紀元2世紀の模刻だそうです。
 それにしても、どちらも、今回みると、これまでと比べてやけに色が白くなってました。特にアポロは、以前は、↑のティベリウス像みたいに真っ黒だったのに・・・。きっと、修復、洗浄したんでしょうね。他のところ、他の美術館でも、あちこちで修復が行われています。いつかは、ティベリウスの像もきれいになるといいな(笑)

 

 続いてこちら、ベルヴェデーレのトルソ、と呼ばれています。ピンボケですいません(笑)!ミケランジェロはこの像を絶賛したのだとか。ちなみに近年、これは、自害を思案するアイアスの像と認識されたそうです。・・・ということは、これも立派なトロイネタ(笑)♪・・・どうしてそんなことがわかるのか、不思議ですけどね・・・。

 せっかくなので、古代ローマのスーパーヒーロー、カエサルの像も。美男といえば、アウグストゥスのほうが上なのですが、塩野七生さんは、カエサルの方が絶対もててただろうとおっしゃってます(笑)。人の心をつかむのがうまいんですよね。気遣いもある。冷たいアウグストゥスとは、やっぱり違うのよね、きっと!

 でも、カエサルにも悩みがあったらしいですよ。それは、額の後退(笑)これはまだ、大丈夫なほうかな??
 

☆ ラファエロの間(Stanze di Raffaello) ☆

  ラファエロと弟子が手がけた壁画のや室内装飾のある4つの部屋です。ここで、トロイ落城かと思う絵が(笑)!右のは、左の絵の端っこを拡大したもの。

  

 でも、残念ながら、これは、『ボルゴの火災』だそうです。

 あとで“しまった〜”と思ったのは、”パルナッソス”という、アポロのまわりにホメロスやヴェルギリウスが描かれた絵の写真を撮りそこなったことです。ラファエロの間は、この広い美術館のなかでもかなり込んでいたほうで・・・あまりゆっくりみれなかったんですよね・・・。


 このあと、有名なシスティーナ礼拝堂を見ています。思えば、新婚旅行時には、まだ一部修復中でした。月日の流れを感じてしまいます(泣)。ここは、撮影不可でしたので、写真はなし。
 ・・・さすがに3回もみると、ちょっと感動も薄れてきているかもしれません・・・。それとも、感性が鈍ってきているのか・・・・・・。


 他に、エジプト、メソポタミア文明関連とか、絵画館、タペストリーのギャラリーに地図のギャラリーとか、図書館とか、・・・まあ、ほんとにいろいろあったのですが。今回は、ほとんどこの辺はスルーしただけとなってしまいました。それでも、すんごく、疲れました。きっと、私に付き合わされたお義母さんは、うんざりしていたにちがいありません・・・(道にも迷っちゃったし・・・がっくし)

 それから・・・ヴァチカン博物館の食堂は・・・イマイチです。学食風のカフェ?と、Pizzeriaがあるのですが、これまでのところ、どちらもちょっと・・・という感じです。


 そして、出口にむかう、螺旋階段。

 

 最後に出口。お義母さま、お疲れ様でした・・・(苦笑)。引っ張りまわしてごめんなさい。

 

 

☆ オペラ鑑賞 
〜カラカラ浴場(Terme di Caracalla)にて〜

  野外オペラでございます。演目は、ヴェルディの“Nabucco”。雨でも降っちゃったらどうなるのかほんの少しだけ心配しましたが、全く問題なし。それに、夕方(とはいっても、時刻は午後8時ごろ)になると結構風も爽やかになってきて屋外は気持ちいいのです。

 というわけで、まずはカラカラ浴場。とにかく巨大。カラカラ帝によって、212〜217年に建てられました。(あ、着工はお父様のセヴェルス帝のようです)一度に1600人も収容できたのだとか。
 首都ローマだけでなく、ローマ人の行くところ、必ず浴場があるといっても過言ではありません。ローマ人も、日本人と同じく、お風呂好きだったんですよね〜。近現代欧米人とエライちがいですが・・・ローマ人が公衆浴場にいかなくなってくるのは、キリスト教が普及し、他人に裸を見せることが悪、と考えられるようになってきてから、なのだそうです。(塩野さんの解説より)
 ともかく、全盛期の浴場は、といえば、まさに“庶民のための宮殿”(これも塩野さんより)。ギリシャ、ローマ時代の彫刻の多くが、浴場跡から発掘されたことからもわかるように、浴場にはすばらしい彫刻があふれかえっていたようです。また、庭園あり、体育場あり、図書館あり、商店あり、・・・と、まあ、浴場というより現代でいえば大レジャー施設???もちろん、いわゆるお風呂関連も充実。更衣室も完備で、温度の違う浴槽やサウナのようなものなどがそろっていたそうです。壁暖房まであったというのだから、本当に驚きですよね。

 街灯?と比べていただくと、その巨大さがわかっていただけるかと・・・。これは、遺跡のほんの一部。


☆ オペラ Nabucco (Verdi作曲) ☆

 ヴェルディの出世作。Nabuccoとは、バビロニアのネブカドゼナル2世のことなのだそうです。そう、あの“イシュタル門”を築いた王です!!
 舞台は、エルサレムとバビロニアの王宮。ヘブライ人とバビロニア人の争いに、ユダヤ王の甥とバビロニアの王女の恋、王女の腹違いの姉(王が奴隷に生ませた娘)との三角関係と王位争い、などなどが展開されます。あ、でも、主役はバビロニア王のナブッコです。いろいろあって、彼が最後にエホバの神を称え、ヘブライ人の帰郷を許すので、“王の中の王”と称えられてめでたしめでたし。
・・・すみません、こんな解説で(笑)・・・ご興味のある方は、Nabuccoで検索してください。Wikipediaなどに出てます。 
 ヴェルディのオペラは、スケールが大きくて登場人物も多く、迫力があるものが多いような?・・・やっぱり私、こういう華やかなオペラが好きかも(笑)
 
 まずは、第一幕のセット。左に、ユダヤ教の聖物、7本の燭台があります。・・・ってことは、場面はエルサレム。後で、二幕以降のセットも紹介します。



↓第一幕。場面はエルサレム。ヘブライ人たち。バビロニアがエルサレムを攻撃しようとしています。
バビロニア王女フェネーナは、ユダヤに人質として囚われています。

↓第三幕。(飛んですみません、笑)中央に座っているのが、無理やり王位を奪った、奴隷の娘アビガイッレ。 
二幕以降は、場面がバビロニア王宮となります。ですので、後ろのセットがバビロニア風にかわります。

↓そしてカーテンコール。(すみません、飛びまくってます)

 

 さて、ここで、二幕以降のセットですが・・・何しろ暗いし、カメラのフラッシュなんて全然効かないしで、ろくな写真が取れなかったのですが、とりあえず・・・

    

 な〜んで、こんなとこであえて、こんなヒドイ写真を載せたかって言うと、これ、ペルガモン博物館にあった、イシュタル門のモチーフを、かなりよく再現しているんですよ!!右の写真の雄牛と竜が何とか見て取れるかと・・・。このセットが出てきたとき、私ったら一人で興奮してしまってました(笑) (イシュタル門の紹介は、こちら→ )

 オペラは午後9時開始で、終了したのは12時過ぎ。欧米人って、ほんとに宵っ張りですね・・・。その後はタクシーでホテルへ。ガイドブックには、事前にタクシーを予約したほうがいい、とか書いてあったので、一応予約した(つもりだった)のですが、結局長蛇の列で待つしかありませんでした。な〜んだ、って感じ!!

 ・・・これにて、この日のイベントはおしまい。